【ダンまち】ティオナとティオネの過去「滑稽な英雄が居たからこそ私は」

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

ダンまちに登場するティオナとティオネ姉妹の過去についてです。二人の特徴と言えば「団長がすべてのティオネ」「いつも笑っているティオナ」だと思います。

ティオネはきれい系、ティオナはかわいい系の褐色キャラで人気も高いふたりです。今でこそ騒がしいヒュリテ姉妹ですが昔はもっと冷徹な一面をもっていました。

特に姉のティオネのそれは異常だったかもしれません。そんな姉ティオネを変えたのはロキファミリアの団長フィン・ディムナ。そして彼女をずっと守ってきたのが英雄に憧れた妹ティオナでした。

二人の隠された過去とは?

以下、外伝ダンまち原作のネタバレが含まれていますので注意して下さい。

ティオナとティオネのレベル:ステイタス情報

ヒュリテ姉妹のデータは公式サイト、原作を参考に制作しています。

ティオナ・ヒュリテのステイタス
年齢:17歳
身長:165cm
種族:アマゾネス
所属:ロキ・ファミリア
レベル:6
二つ名:大切断アマゾン
魔法:なし
スキル:狂化招乱バーサーク大熱闘インテンスヒート
ティオネ・ヒュリテのステイタス
年齢:17歳
身長:165cm
種族:アマゾネス
所属:ロキ・ファミリア
レベル:6
二つ名:怒蛇ヨルムンガンド
魔法:リスト・イオルム
スキル:憤化招乱バーサーク大反攻バックドラフト

二人のステイタスに大きな違いはありませんが、目に見えて違うとすれば魔法かもしれません。姉のティオネは束縛魔法のリストイオルムが使えます。

一定の確率で対象を強制停止させる魔法でその成功率はティオネの魔力値に依存しています。もともと魔力が低いティオネなので本人曰く「階層主相手に10回に1回成功するかどうか」の確率。

反対に妹のティオナには魔法はありません。

次にスキルは双子&アオマゾネスということもあってか効果は同じです。バーサークの効果は「ダメージ」を負う度に攻撃力が上昇し怒りの丈によりその効果は上昇します。

次にお互いのもう一つのスキルの効果について。これも一緒で瀕死時における「力」の超高補正。つまりこの姉妹は追い込まれれば追い込まれるほど強くなります。

ダンまちティオナとティオネ姉妹の過去

ティオナとティオネは、ロキ・ファミリアに所属するまでにいくつかのファミリアを転々としてきました。まずは二人が初めて所属したファミリアについて書いていこう思います。

ティオネとティオナが最初に所属していたファミリアは、テルスキュラという孤島にある「カーリーファミリア」という所でした。

オラリオからずっと離れた東南にある海と断崖絶壁に囲まれた半島の島で、アマゾネスしかいないことで有名。

ダンまちに登場する神のほとんどは、恩恵を与えファミリアを作っていきますが、中には国単位でファミリアを作る神もいます。カーリーファミリアもこれに近いですが「政治」にはほぼ関心がありません。

MEMO

ダンまちⅡの11話に登場する予定のラキア王国もこれに当たります。統治しているのは軍神ラキアで「クロッゾの魔剣一族」がいる所。

「男子禁制」でいたとしても彼らの役目は奴隷か種の繁栄。そのためにしか存在が許さていないと言われています。エルフの里のように外部との交流もなく鎖国的で、外部が知っている情報にも限界がありました。

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カーリーファミリアには「レベル6」もいて単純な強さならオラリオでも上位に食い込む実力があります。

「儀式」と「涙」

出典:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかより

女戦士の国テルスキュラでは、生まれた瞬間に恩恵を与えカーリーの眷属になります。ティオネとティオナのときもそうでした。

テルスキュラでは「強さが正義」であり、強者は称賛と地位と名誉を手に入れます。多くの赤ん坊は言葉より先にゴブリンの倒し方を覚え、親の顔も声も知らずひたすら戦士として育てれます。

親がいない二人に教えられたのは、自分たちが「双子」ということだけ。その言葉は二人にとって大した意味はありませんでしたが、自分の半身ということだけは理解し、いつしかそれが「絆」となっていました。

二人はこの風習に何も疑問を抱きませんでした。

理由は「ヤラなければ自分がヤラれる」という単純明快なもの。他にも強さを実感できる日々も悪くないという達成感もあったからです。

儀式が始まれば闘技場に行き、終われば石の大部屋に戻る繰り返し。

戦うことしか知らないアマゾネスたちは、ありとあらゆる手段で相手の命を奪います。一般的な論理観は無く、ひたすら同胞の血を浴び相手の悲鳴を聞くだけ。

次第にティオネとティオナの胸はざわつくようになります。

そんな二人にも拠り所はありました。

彼女の名前は「セルダス」

闘技場から帰ってくると必ず「お帰り」と出迎えてくれた彼女に対しティオネは母親のように慕っていました。そしてティオナも姉以外に最も心を許し懐いていたのもセルダスでした。

ある日、ティオナが大部屋に戻ると膝にうずくまっているティオネの姿がありました。

「ティオネ、誰と戦ったの?」

「・・・・・・・・セルダス」

ティオネは泣き崩れていました。そして、これをきっかけに彼女の言動は荒くなり元から汚かった言葉遣いもさらに汚くなります。

ティオネを守るために

出典:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかより

ティオナはセルダスの件がある前からティオネの心が荒んでいくのに気付いていました。そして姉の涙を見た日に「自分が姉を守らきゃ」と決意します。

主神カーリーにティオネは、ティオネが戦う組み合わせを自分に入れ替えるよう頼みました。ティオナに目を掛けていたカーリーは条件付きで許可をだします。

その条件は「連続で同胞の命を奪うこと」

ティオナは一日に何人もの同胞と戦い条件を達成していきました。当然、このことは姉のティオネは知りません。そんな戦いに明け暮れる彼女にも唯一の楽しみがありました。

「英雄譚を読むこと」

始まりはボロボロの紙屑の塊でした。闘技場を徘徊し偶然見つけた紙屑には共通語(コイネー)で何か書いてありましたが、アマゾネス語しか分からないティオナにとっては謎の紙屑。

ティオナはバーチェというアマゾネスに何が書いてあるのか聞きますが彼女も読めません。するとバーチェは「待て」と言い主神カーリーに翻訳を頼みます。

それからというもの儀式や鍛錬が終わるとティオナに読み聞かせる日々が始まりました。怪我の治療もそっちのけで胡座をかいて夢中になって聞き入るティオナ。

「次は?次は?」と物語の続きをせがみますが、本とは言い難いその紙屑が終わりを迎えるのは時間の問題でした。

この頃になるとティオナにはある願望が芽生えます。

「話の続きが知りたい」

出典:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかより

いつものように儀式が終わるとカーリーはティオナに「何か欲しいものはあるか?」と訪ねます。ティオナが「この本の続きが見たい」と即答すると後日、傷ひとつない新品の本が手渡されました。

カーリーの手助けもありましたが、子供の柔軟さや自分の興味に対する一直線さで、共通語(コイネー)もすぐに読めるようになります。

それ以来ティオナには勝った褒美として本が与えられるようになりました。様々な「物語」に触れるようになったティオナのバカさ加減と能天気さは以前より拍車が掛かり、よく「笑う」ようになりました。

そんなティオナを見てティオネは面白くはありませんでした。「自分はこんなにボロボロなのに・・・おまえは・・・」という負の感情が原因でよく姉妹喧嘩もしました。

それでもティオナは笑うこと止めません。

「すべてはティオネの為」

ティオナにとって英雄譚は自分を笑わせ勇気付け、腐りかけても自分を慰めてくれた存在でした。

ティオナが一番好きな英雄譚は「アルゴノゥト」。

英雄になりたいと願う青年の「滑稽」な物語。

ティオナが涙を流して笑ったお気に入り。

「僕は笑うよ。どんなに馬鹿にされたって、どんなに笑われたって、唇を曲げてやるんだ。じゃなきゃ精霊だって、運命の女神様だって、微笑んじゃくれないよ」

以来、ティオナはどんなに辛くても、痛くても、やせ我慢でも笑いました。

「笑えない誰かの分まで」

この時のティオナは、自分が笑えばいつかティオネが笑ってくれる気がしていました。

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二人ぼっち

出典:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかより

その後、ティオナは主神カーリーに島を出たいという提案をだします。意外にもその提案はすんなり通り姉妹は晴れて自由の身になりました。ティオネはあっさりと進んだことに「今までの苦悩は何だったのか」と苛立ちの感情を抱きます。

ティオナとは正反対にティオネの心は未だに荒んでいましたが、見たことのない景色や知らなかった世界を見て自然と落ち着きを取り戻し、ティオナと居るときは少しだけ笑えるようにもなりました。

ティオナはそんな姉を見るたび嬉しそうに笑い。二人は目的のない旅を続けました。

食い扶持を稼ぐためにファミリアに臨時加入し転々としました。旅の道中にティオネはティオナから共通語(コイネー)を学び一通り話せるようにもなりました。しかし状況はテルスキュラにいる頃と変わりませんでした。

彼女たちがファミリアに所属するのは一年間だけ、人懐こいティオナは寂しそうな顔をしますがいつも「ティオネがいればいいや」と言い二人ぼっちの旅を続けました。

他者との絆を知らないティオネも「妹」さえいれば良かった。些細なことで喧嘩し何事もなっかたように二人で飯を食い、にこにこ笑う彼女の隣で自分が笑う。その日常さえあれば満足でした。

一時はティオナに負の感情も抱いてましたがいつしか妹は自分の「太陽」のような存在だと思うようになります。ティオナだけは守らないといけないという気持ちも強くなり、ティオナに近付く輩が居れば神であろうと容赦はしませんでした。

ロキ・ファミリアとの出会い

出典:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかより

二人はオラリオのダンジョンの存在を知るとアマゾネスの血が騒ぎすぐに腕試しに向かいました。この頃の姉妹はレベル3に到達していてオラリオでもその情報はすぐに広まりました。

「どのファミリアにも属していない」「容姿端麗」「屈強のアマゾネス」オラリオの冒険者や神々はすぐに姉妹を勧誘しにいきましたがことごとく返り討ちにされます。

連日に続く勧誘に面倒くさくなったのかティオナは「勝負しよう」「自分たちが負ければファミリアに入る」と叫びます。

勧誘しに集まった冒険者たちはこぞって参加し全滅。オラリオに失望しかけていると姉妹の前にロキ・ファミリアの幹部と主神ロキが現れました。

ロキたちが姉妹をファミリアにふさわしいか見極めていると、ティオネはその視線が気に入らず「私達は数え切れないくらい同胞の命を奪っている」と言い「それでも勧誘するのか」と問いかけました。

それを聞いたパルゥムの団長フィンは「同じ過ちを繰り返したら自分たちが見る目がなかっただけ」「その心配はなさそうだけどね」と姉妹を分かった風な言い方で返しました。

ティオネの神経は逆撫でされフィンに戦えと挑発しました。

しかし勝負は一瞬で終わります。

腕を取られ宙に舞うティオネ。

何度立ち向かっても結果は変わりませんでした。フィンはティオネに「約束だ。僕達のファミリアに入ってもらう」とティオネを見下ろしました。

完膚なきまでに敗北したティオネは自分を見下ろしているパルゥムの瞳に生まれて初めての感覚「胸の高鳴り」を覚えます。

オラリオに来てからティオネは「変わった」正確にはフィンに出会ってから彼女は変われました。

アマゾネスは強い雄に惹かれる習性をしています。最近の話ならアイシャとベル(アニメ版ダンまち)の件が分かりやすいと思います。それはパルゥムに負け胸を打ち抜かれたティオネも同じでした。

ダンまちティオネフィンその後出典:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかより

更に追い打ちをかけたのがフィンの魔法「ヘル・フィネガス」

フィンが一度魔法を使えばたちまち凶戦士となり獰猛な戦士となります。普段の穏やかな表情から想像もつかない形相を見たティオネは運命を感じました。

ティオネにとってフィンは「理想の雄であり」「英雄であり」「勇者」でした。戦うことしか知らなかったティオネは誰よりもウブだったため誰よりも乙女になれました。フィンの好みをリサーチし少しでも近付くために汚い口癖も物腰も矯正し、知的に見えるように中途半端だった髪の長さも腰まで伸ばしました。

フィンといつも一緒にいる「リヴェリア」のように。

テルスキュラにいた頃とは正反対になったティオネは、こんな自分がまんざらでもありませんでした。明日を迎えるのも楽しくなり、姉妹だけでは無理だったであろうダンジョンも仲間との連携で攻略する「他者との絆」も育むことも嫌じゃなくなっていました。

その変わりようは妹のティオナが引くくらいの豹変ぶりでした。

ある日、ティオナはアイズを見て「昔のティオネに似ている」とティオネに話しました。理由は昔のティオネのように笑うことが苦手だから。

この時、ティオネは初めてティオナが笑い続けた意味を知ります。

「妹を支えているようで、逆に支えられていた姉」

「妹を守っているようで、逆に守られていた姉」

ティオナが英雄譚に夢中になっていたのは知っていました。セルダスが居なくなったことも本当なら悲しいはずなのに表に出さずいつも笑うティオナ。

ときにはその笑顔が嫌になったこともあったティオネでしたが、結果的にその笑顔は少しずつティオネに変化を与え自分も笑えるようになっていました。

大きな変化を与えたのはフィンですが、ティオネを支え続けていたのは妹の笑顔だったことにティオネは、

「てめえは、私の英雄のつもりかっ・・・・・!!」

あてのない旅も終わり、互いに守り合っていた姉妹は今でもその関係が続いています。後にアイズとは親友となり、ある調査で訪れた港町でティオネとティオナは「カーリー・ファミリア」と再開し争いに巻き込まれます。

ファミリアを巻き込みたくなかった姉妹の争いは結果的にファミリア同士の抗争に発展します。

さいごに

という訳で、ヒュリテ姉妹の過去についてでした。かなり端折ってしまいましたが、この話のキーマンはティオナだと勝手に思っています。

セルダスが居なくなったときも悲しかったけど、それ以上にティオネが生きていたことに安心しました。ティオネの涙を見て守る決意をしますが、ティオナ自身も「違和感」を感じていてギリギリの所で生きていました。

それでも腐らなかったのは英雄譚があったから。

当たり前だけど、もし英雄譚がなければティオナもティオネのようになっていただろうし、今の状況にはならなかったかもしれません。

しつこいけどこの英雄譚を読んだティオナは英雄には憧れませんでした。アルゴノゥトの話は滑稽で喜劇の内容です。

主人公のアルゴノゥトは常に笑い喜劇を演じてきました。そしてティオナが英雄に見たのはその「笑う」という所。強さや名声ではなく「笑い」を選ぶというのが乙な感じで好きです。

こういう過去の話も知ってると見方も変わるし、また違う楽しみ方が出来るので良いですね。で、最後のカーリーファミリアとの抗争ですが機会があったら紹介したいと思います。

ダンまちリューの過去と仲間 ダンまちリューリオンの過去!エルフとしての葛藤とアリーゼとの出会い

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